匠創生 × 琴水 × SPP 共同企画 “VINTAGE SAKE” テストマーケティング

2025年9月末、SPPは合同会社琴水とともに、株式会社匠創生が展開する古酒ブランド「古昔の美酒(いにしえのびしゅ)」の一部商品を対象に、フィリピン・マニラのMITSUKOSHI BGCでテストマーケティングを実施しました。
今回の取り組みではクリスマス商戦に向けてブランド認知の拡大と試飲体験の場を設け、現地の富裕層やレストラン来場者に“日本の熟成酒の美味しさ”を直接感じてもらうことを目的としました。
イベントはMITSUKOSHI BGCのイベントスペースおよびレストランIKOMAIで開催され、「VINTAGE SAKE」をテーマに、日本各地の酒蔵で長期熟成された日本酒や梅酒を紹介。ワインやウイスキーのように“時間が生む味わい”を楽しむ文化として、古酒の新たな魅力を発信しました。
MITSUKOSHI BGCでの試飲イベント

9月27日から10月2日までの5日間、BGCの三越地下1階に特設試飲コーナーを設置。「2009 幻の瀧」「2010 龍力」「2007 山陰東郷」などの古酒に加え、「2006〜2009年 梅酒セット」など、熟成梅酒もラインナップしました。来場者は実際に試飲を楽しみながら、それぞれのヴィンテージごとの味の違いを体験。
中でも2009年梅酒は想像を超える美味しさだった」「記念日にぴったり」といった声が多く寄せられ、特に女性からの支持が高く、プレゼント需要の高さが見られました。
IKOMAIでのシェフ向け試飲会


9月30日には、マカティのレストランIKOMAIでシェフ向けの試飲会を開催。LTBフィリピンレストランシェフ協会のメンバー、現地の有名日本料理店「築地」のオーナー、大手食品ディストリビューターなど、約12名の食のプロが参加しました。
生産者による英語でのプレゼンテーションを通じ、古酒の熟成過程や「メイラード反応」による色・香り・味の変化など、背景にある技術と哲学を紹介。「日本酒とは思えないほど豊かな香り」「色の変化が美しい」といった声が多く、
シェフたちは自店での導入を前向きに検討する姿勢を見せました。
一般来場者向けイベントで広がった共感

同日夜には、マカティーにある創作和食レストラン「IKOMAI」の通常営業時間を利用して一般のお客様向けの試飲イベントも実施しました。この日はDJイベントも同時開催され、Jazz、House、Reggaeなどの音楽が流れる中、30代以上の富裕層を中心に、多くのお客様が初めての古酒に興味津々でしした。
ワインやカクテルとはまた違う、日本の古酒ならではの香りと奥行き。“エレガントでありながら少し肩の力を抜いたセミカジュアル”というスタイルの中で、古酒がどのように楽しめるかを自然に感じてもらえる時間になりました。
料理とともに提供された2009年梅酒や2010年龍力は特に人気を集め、「梅酒のソーダ割りが最高」「IKOMAIでもぜひ飲みたい」という声が多く、現地での継続的な提供や販売の期待が高まりました。
テストマーケティングの成果

今回のプロジェクトでは、「三越の富裕層」「レストランシェフ」「一般来場者」という3つの異なる層に対して古酒の受容度を検証。結果として、試飲者の大多数からポジティブな評価を得ることができました。特に「2009年梅酒」は、ギフト・記念日・贈答用としての高い潜在需要が明確になりました。
また、“VINTAGE SAKE”という表現は現地での理解と共感を得やすく、古酒の価値をわかりやすく伝える言葉として効果的であることが確認されました。
SPPの視点から

SPPでは、地域のものづくりや文化を海外のリアルなマーケットで試し、現地の生活者・シェフ・メディアとの対話を通して価値を再発見するプロジェクトを展開しています。
今回のマニラでの古酒テストマーケティングは、琴水との共同企画として、“日本の熟成文化”がフィリピンの食と感性の中でどう受け止められるかを探る実験でした。今後としては、“VINTAGE SAKE”というキーワードだけにとどまらず、体験のトーン&マナー、コラボレーションの形なども含め、多角的に検証と実施を進め、感度の高いマーケットリサーチを行っていきます。
開催期間: 2025年9月27日〜10月2日
会場: MITSUKOSHI BGC/IKOMAI(Salcedo, Makati)
主催: 合同会社琴水、SPP株式会社
協力: 株式会社匠創生
参加: LTB Philippines Chefs Association、有名レストランオーナー、現地ディストリビューター、一般来場者